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ここでは人も、立派な野良なのだ

脳神経外科のクリニックでは頭痛、めまい、手足のしびれ、最近は物忘れで受診される方が増えています。
これらに伴って不眠を訴える方も少なくありません。たかが不眠、されど不眠、いったいいつ頃から私たちは眠れなくなったのでしょう。

中年のころ?70才を過ぎてから?病気をしてから?ストレスがあってから?何か思い当ることはないでしょうか。もし思い当ることがあれば、その解決が第一ですね。睡眠薬なしで良眠を回復できるのですから。

調べてみると体の病気から引き起こされる不眠症の多さに驚きます。
夜間に痛みやかゆみを伴う病気、たとえば体のあちこちが病む慢性関節リウマチや繊維筋痛症、早朝に多い片頭痛、夜間に胸やけを生じる十二指腸潰瘍や逆流性食道炎などがあります。
呼吸器や神経の病気では喘息や慢性気管支炎、うつ病や認知症でも不眠になります。女性に多いのは更年期や甲状腺機能障害ですね。眠ろうとすると脚の指がムズムズ勝手に動いて睡眠の妨げになるムズムズ脚症候群、夜間無呼吸を繰り返し日中に眠気がさす睡眠時無呼吸症候群もあります。
まずはかかりつけの先生に相談して、必要に応じて精神科や呼吸器科など不眠症の専門外来を紹介してもらうとよいでしょう。

さて、問題はこれら体の病気がない不眠症の場合です。
睡眠が引き起こされる体のメカニズムと現代の生活習慣の変化を振り返ってみましょう。

そもそも人はどうやって眠りに入るのでしょう。眠気はメラトニンという睡眠ホルモンで誘発される、メラトニンは脳の中心部にある松果体という小指の頭大の器官から分泌される、その分泌は朝陽を浴びることが引き金となってその10時間ほど後に起きる、というのが基本的な睡眠誘発のメカニズムです。早起きをして朝陽を浴びるとメラトニンンのスイッチが入る、良眠を得る秘訣は実は夜にあるのではなく朝にあるようです。

また、最近の睡眠の生理学では日中の覚醒、身体活動に比例して体の中にたまるアデノシンという物質が睡眠を誘発することも知られています。
日中なるべく体を動かす、家事でも草むしりでもパークゴルフでも、もちろん散歩でも何でもよいので体を動かす習慣をつけることもアデノシンを増やして良眠に必要なことです。
   
そういえば、現代の生活習慣の変化を考えるとメラトニンスイッチやアデノシンの蓄積を遅らせる要因が増えていることに気づきます。

人工衛星から見た日本列島の都会は電気が24時間、こうこうと灯っている、昼夜の区別、明暗の区別がなくなった。肉体労働は機械にとってかわられ、机の前で情報を操っていれば収入を得ることができる。
私たちは眼に朝陽を浴びることもなく、肉体を酷使する必要もない時代に生きています。

太古の原始社会、陽が昇るとともに起き狩猟農耕に働く、陽が沈むとともに眠り子供を作る、そんな貧しくとも自然な人生に不眠症はあったのでしょうか?たかが不眠、されど不眠、眠れない夜が続くことはつらいことです。

しかし睡眠薬に頼る前に今一度自分の不眠症を振り返ってみることも、無駄ではないかもしれません。

グラーネ北の沢だより No.129 平成24年冬号
 
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