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自分自身になること
この春から診療終了後、今はやりの心理学の社会人講座に通いはじめました。
講師は実地の臨床心理士、一般社会人向けとは興味をそそられる内容です。
クライエント中心療法と精神分析、交流分析と心理テストによる自己理解、
エリスの論理療法とベックの認知行動療法、
自立訓練法とリラクゼーション、カウンセリングの理論と技術などなど。
最近の授業で印象に残った言葉をひとつご紹介します。
自己理論によるクライエント中心療法を日本に広めた
カール・ロジャースの「自分自身になること」という一文です。
「私が自分自身を受け入れて自分自身に優しく耳を傾けることが出来る時、
私は始めて自分自身になることが出来、
かつ私はよりよく生きることが出来るようです。

面白い逆説なのですが、
私があるがままの自分を受け入れることが出来てはじめて、
私は変わっていけるのです。

私達は自分の現実の、
あるがままの姿を受け入れることが出来るまでは
決して変わることが出来ません」

人は自分自身を受け入れ、
自分の心の声に耳を傾けることが出来て
初めて、真に自分自身になっていくという
ロジャース心理学のもう一つの特徴は、

そんな自己発見のプロセスが
他の誰かから無条件に受け入れてもらえるような
共感的関係において初めて可能になると
考えるところにあるそうです。

人は誰でも他者のちょっとした言動に
多少なりとも一喜一憂、
自信を得たり失ったり、
他者を介して自分自身を発見し、
確認する傾向があるようです。

日常の診察室でも、
そんな無条件の共感的関係が得られる場を築きたいものです。
(H13年 南区支部だより)
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