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「症状から」
「病名から」
「検査から」
「治療から」
16.
三叉神経痛
(さんさしんけいつう)
17.
慢性硬膜下血腫
18.
神経調節性失神
13.
急性末梢性顔面神経麻痺
(ベル麻痺)
14.
未破裂脳動脈瘤
15.
脳血管性痴呆
10.
正常圧水頭症
11.
良性発作性頭位めまい
12.
一過性脳虚血発作
7.
眼虚血症候群
(がん・きょけつ・しょうこうぐん)
8.
手根管症候群
(しゅこんかん・しょうこうぐん)
9.
むずむず脚症候群
(レストレスレッグス症候群)
4.
くも膜のう胞
5.
低髄液圧症候群
6.
頭部帯状疱疹
1.
髄膜炎(ずいまくえん)
2.
パーキンソン病
3.
繊維筋痛症とリウマチ性多発筋痛症
16. 三叉神経痛(さんさしんけいつう)
質問:
63才、主婦です。
ひと月ほど前から食事や歯磨きの際にほとんど毎回、左頬の痛みを感じるようになりました。
刺されるような痛みで満足に食事をとれないことがあります。
何とかこの痛みをとりたいのですが、どちらの科を受診すればよいでしょうか。
答え:
あなたの顔面の痛みは三叉神経痛と思われます。
歯の痛みや口内炎の痛みと同じですから、焼けるような、刺されるような激痛ですね。
三叉神経は脳幹から出て額と頬、顎の三か所に枝分かれして分布するのでこう呼ばれます。
副鼻腔炎、虫歯、顔面の帯状疱疹、脳腫瘍などによる症候性三叉神経痛と、そのような原因がない特発性三叉神経痛に分類されます。
三叉神経痛の診断は症状から比較的容易です。下記の表をご参照ください。
もし耳鼻科、歯科、皮膚科など症候性の病気に覚えがなければ、特発性を疑い神経内科か脳神経外科、ペインクリニックを受診してください。
特発性三叉神経痛の治療は、抗てんかん薬による薬物治療、開頭手術による神経血管除圧術、ガンマナイフによる放射線治療、三叉神経ブロックの4種類が行われています。
それぞれ一長一短がありますが、まずは患者さんの負担が少ない薬物治療がよいでしょう。
テグレトールという薬が一般的ですが、痛みが完治することは少なく生涯服薬が必要です。薬疹や血液の異常などの副作用が出現すれば中止されます。
次は神経血管除圧術が考慮されます。特発性三叉神経痛の原因は、実は脳の奥で細い血管が神経に触れて神経を刺激していることがわかってきたからです。耳の後ろの骨を50円玉大だけ削って顕微鏡で行う負担の少ない安全な手術です。神経に触れている血管を神経から移動して離し神経に対する刺激をとります。
術後数日から痛みは消失、成功率は80〜95%、再発率は年間2〜3%、4つの治療法の中で最も効果のあるものです。手術が不可能か手術で再発した場合には、ガンマナイフによる治療が検討されます。放射線を一括して大量に正確に三叉神経に照射して神経痛を軽減します。副作用や身体的負担はほとんどありません。
顔面に行う三叉神経ブロックは使う薬剤により、効果が数時間だけで一過性だったり、三叉神経を破壊して永久に感覚障害を後遺させるものなのであまりお勧めはできません。
特発性三叉神経痛の診断基準
A.
三叉神経分枝の支配領域の1つまたはそれ以上の部位の発作性の痛みが数分の1秒〜2分間持続し,かつBおよびCを満たす。
B.
痛みは以下の特徴のうち少なくとも1項目を有する。
1.
激痛,鋭い痛み,表在痛または刺痛
2.
トリガー域から発生するか,またはトリガー因子により発生する
C.
発作は個々の患者で定型化する。
D.
臨床的に明白な神経障害は存在しない。
E.
その他の疾患によらない。
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