質問: |
64才、主婦です。
半年ほど前から寝つきが悪く夜間、何度も目が覚めて熟睡できなくなりました。
床に入ると決まって両方の脚を動かしたくなって、静かにしていることができません。
日中でも椅子に座っていると両方の脚を動かしていないと安心できません。
単に癖かもしれませんが、何かの病気でしょうか。 |
|
答え: |
睡眠障害は寝つきが悪い入眠障害、夜間何度も目が覚める中途覚醒、朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒、熟睡できない熟眠障害に分類されています。
不眠の方はこれらのいくつかが重なっている方が多いようです。
人の睡眠は脳から分泌される睡眠ホルモンによりおよそのリズムが調節されていますが、精神的ストレス、日中の身体活動の多寡、不整脈や呼吸障害などの病気、服用中の薬など環境要因によっても大きく影響されます。
さて、あなたのばあい、床に入ったり椅子に座っているときなどに脚をむずむず動かしたい衝動に駆られて睡眠など生活が妨げられているようです。
脚を安静にしているとこのような衝動に駆られるとき「むずむず脚症候群」を疑います。
下記表に症状の特徴を示します。女性にやや多く、家族に同様の症状があるとさらに確定的になります。 |
|
|
|
むずむず脚症候群の診断基準 |
(以下の4項目すべてあてはまるとき診断は確実) |
1. |
脚を動かしたくてたまらない衝動感 |
2. |
休んでいたり、じっとしているときに悪化 |
3. |
脚の運動により軽減ないし消失 |
4. |
夕方から夜に出現ないし悪化 |
|
|
|
|
むずむず脚症候群の原因として血液中の鉄分の減少、脳のドパーミンという神経伝達物質の異常が明らかにされています。
妊娠、腎不全、慢性関節リウマチなどが誘因となることも指摘されています。
治療は睡眠に対する衛生指導と薬物治療があります。薬物治療はドパーミンの前駆物質ないしドパーミンと同じ働きをする薬が処方されます。最近はビ。シフロールというパーキンソン病の薬がむずむず脚症候群にも有効なことが証明され使用されています。
神経内科や不眠症を扱う精神科を受診されるよいでしょう。MRIで万が一脳腫瘍など脳の病気を除外しておくことも大切です。 |
|
|
|
非薬物治療(睡眠衛生指導) |
1. |
コーヒー、タバコ、アルコールを避ける |
2. |
日中の歩行、夕方の入浴 |
3. |
遅寝早起き |
4. |
抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などを避ける |
|
|
|