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質問:
最近、テレビなどで脳卒中の番組が増えています。
早期発見のために脳ドックの受診がすすめられていますが、脳ドックは誰でも受診できるのでしょうか。
費用はどの程度かかりますか? どのような病気がわかるのでしょうか。

答え:

脳ドックを受けるかどうか、迷っている方がいらっしゃると思います。
脳ドックは健康な方が対象ですが、受診が望ましいとされるのは、中・高齢者、脳卒中・クモ膜下出血の家族歴、高血圧、糖尿病、心房細動、肥満、喫煙などのある方です。

基本的に健康保険は利かず、検査費用は各病院任せです。
しかし、検査内容はガイドラインに基づいて、頭部のMRI・MRA、頚部のMRA・超音波検査、特定の血液検査、心電図が推奨されています。

認知機能検査は追加選択です。
検査結果は血液検査など一部を除いて大半は当日わかります。
発見される病気で重要なのは、無症候性脳梗塞(いわゆる隠れ脳梗塞)、未破裂脳動脈瘤、頚部内頚動脈狭窄の3つでしょう。
隠れ脳梗塞は小さくて重要な場所を外れているので症状を出さないだけです。
脳梗塞に違いはなく、脳ドックでの発見率は10〜20%と報告され、決してまれなものではありません。
未破裂脳動脈瘤の発見率はMRAで約3%とされていますが、身内の方にくも膜下出血の方がいると上昇します。
頚部内頚動脈狭窄は超音波検査で約20%に発見されたとの報告があります。

問題はこれらの病気が発見されたとき、発見されなかったとき、そして、その後の検査の間隔です。
偶然、病気が発見されたとき、その病気をそのまま放置した場合と、治療した場合の危険性とを考慮して方針を決めます。
ケース・バイ・ケースなのですが、一般的には無症候性脳梗塞は内服薬による生活習慣病、とくに高血圧の厳密なコントロールが、未破裂脳動脈瘤は大きさが5mm以上で 70歳以下のとき、頚部内動脈狭窄は狭窄率が70%以上のとき、何らかの根治治療が考慮されます。
脳ドック診断医のみならず、治療にかかわる医師との間に納得した同意を交わすことが重要です。

脳ドックで異常が発見されなかった場合にも問題が残ります。
病気が見逃された場合もありえますし、現在は異常がなく誤診ではなくても、脳ドックの翌日、脳卒中を起こすこともあるからです。
脳ドックの適切な検査間隔も明確ではありません。
病気が発見された場合は半年後に再検査、変化がなければその後は1年ごとにというのが標準的です。

検査自体の負担は軽度で、大半の方は脳の病気を免れています。
悩ましい問題を抱える脳ドックですが、安心のためにも一度は受ける価値があるでしょう。
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