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質問: |
従来健康な主婦です。
50才になった記念に軽い気持ちで脳ドックを受けました。
その結果、未破裂脳動脈瘤があるといわれ手術を勧められました。
今は何も症状がないのに本当に手術が必要なのでしょうか。
そのほかの治療法はないのでしょうか。不安で夜も眠れません。
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答え: |
お気持はよくわかります。
従来健康でおそらく今回も異常なしといわれることを期待して脳ドックを受けられたでしょうから、ご心配要りません。
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まず、落ち着いてください。 |
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脳動脈瘤が脳ドックで発見されることは少なくありません。
脳動脈瘤の大半は生まれつきのものです。
調べ方にもよりますが5〜10%の人が持っているといわれています。
未破裂のままでクモ膜下出血さえ起こさなければ、通常、脳動脈瘤を持ったままつつがなく一生を過ごすことができます。
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問題は破裂する危険があるかないかです。 |
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その予測は簡単ではないのですが一般的に大きさが5mm以上のもの、不整形の形をしたものは破裂の危険性が高いといわれています。
ただ、破裂の危険性が高いといっても一年間に1%以内とされています。
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あなたと同じ未破裂脳動脈瘤が見つかった方100人のうち一人だけがこれから1年の間にクモ膜下出血を起こす危険がある、しかし残りの99人は大丈夫ということです。
ひとまず安心してください。
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ただ、問題は年齢です。 |
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貴方は現在50才、女性の平均寿命を87才とするとこれから37年間の間に破裂する生涯の危険率は37%ということになります。
低い値ではないですね。クモ膜下出血は破裂すると重大な結果をもたらす病気です。
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もし貴方の脳動脈瘤が上に述べたような破裂する危険性の高いものであれば、私は何らかの治療を受けられることをお勧めします。
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何らかの治療法というのは、開頭術によるクリッピング手術以外に最近は、カテーテルを使った血管内治療が広く行われるようになっているからです。
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手術と聞いてあわてられたかも知れません。
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図にあるような血管内治療を勧められたのではありませんか?
コイルを使ったこの方法なら入院も2週間程度ですみ、仕事もすぐできて後遺症もほとんど残りません。
この血管内治療は高度の技術を有する専門医がいる病院でしか受けることができません。
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貴方は、ラッキーだったのかもしれません。 |
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もう一度、脳ドックを受けた病院の先生にお話をうかがってください。 |
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クモ膜下出血を誘発する原因として高血圧と喫煙が挙げられています。
もし今回、脳動脈瘤自体には何も治療をしない方針になったとしたら、高血圧と喫煙を避けることが大切です。
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未破裂脳動脈瘤の治療法 |
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NHKテレビテキストきょうの健康 2007年12月号 から |
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