1107topmenu |
|
|
|
|
|
|
|
質問: |
67才、男性です。
1年半ほど前から左足が重たく歩くときに引きずるようになりました。家族から手を震わせていることも指摘されるのですが、自分では食事の際など不自由はありません。
糖尿病で内科にかかっていて脳のMRI検査を勧められました。パーキンソン病で寝たきりになった兄がいるのですが、同じ病気ではないかと心配です。 |
|
答え: |
パーキンソン病は中年以降に多く、50才以上では100人に一人の割合で発症する比較的よくみられる病気です。
知らないうちに片方の手から徐々に運動機能が低下して両手足におよび、歩行障害をきたします。さらに進行すると精神症状や自律神経症状により日常生活に介助が必要となります。
進行を一時的に軽減する薬はありますが、残念ながら完全に治す薬はないので生涯にわたって服薬が必要です。しかし、早期に発見して専門医を受診し適切な服薬とリハビリを行うと自立した生活を長期間にわたって送ることができます。
パーキンソン病に類似した病気もたくさんあります。それらの中には治すことが可能なものもあります。
以下の点に気を付けるとパーキンソン病の早期発見に役立つでしょう。 |
|
|
|
|
|
静止時振戦 |
手足の無意識のふるえ |
|
筋 固 縮 |
手足の筋肉のこわばり |
⇒ 日常生活動作の緩慢 |
無 動 症 |
手足、顔面の動きの減少 |
⇒ 日常生活動作の緩慢 |
姿勢反射障害 |
立位でふらつきやすい |
⇒ 歩行障害 |
|
|
|
|
パーキンソン病を疑わせる所見 |
パーキンソン病らしくない所見 |
発症時期 |
1年以上前から知らないうちに |
ある日突然に |
振戦 |
手が振るえる |
頭が振るえる |
膝の上に手を置いているとき |
字を書いているとき |
左右の手で程度が違う |
両手とも同じ程度 |
歩行障害 |
両手の振りに左右差がある |
両手の振りに左右差がない |
指が振るえている |
指が振るえていない |
片方の足を引きずる |
両方の足を引きずる |
歩幅が狭い |
歩幅が広い |
足がすくむ |
すくまない |
次第に早足になる |
早足にならない |
姿勢反射異常 |
初めは転びやすくはない |
初めから転びやすい |
|
はじめはない |
はじめから、痴呆がある |
はじめはない |
はじめから幻覚、妄想がある |
軽いうつ気分 |
罪業感、自殺念慮 |
自律神経症状 |
初めは少ない |
初めから著明 |
(便秘、尿失禁、立ちくらみ、手足の冷え、発汗減少) |
MRI 検査 |
異常なし |
異常あり |
|
|
|
|
|
|
|
|
正常圧水頭症 |
|
慢性硬膜下血腫 |
|
血管性パーキンソニズム |
(脳室の拡大) |
|
(血腫) |
|
(脳室周囲の脱髄) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
進行性核上性麻痺 |
|
オリーブ・橋・小脳変性症 |
|
線条体黒質変性症 |
(中脳被蓋の萎縮) |
|
(小脳の萎縮) |
|
(線条体の異常信号) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
薬剤性パーキンソニズム |
|
|
(胃薬 精神安定剤 吐き気止め 抗うつ剤など) |
|
|
|
|
|
|
|
--Copyright 2002 (C) Kawazoe Neurosurgical Clinic. All right reserved-- |
|
|
|
|
|